おせち料理の思い出

正月のおせち料理には各自色んな思い出があると思います。子供頃楽しみだった人もいれば苦手な人もいたでしょう、ここではそんなおせち料理の思い出について書いています。

祖母から母へ、母から私へと代々伝える我が家の味

我が家のお節は、祖母から母へ、母から私へと代々受け継がれています。

代々といっても特別格式ばったものでもなく、一般的なお節料理だと思います。
我が家では毎年、年の瀬の押し迫った頃、
だいたい大晦日の2日前くらいから料理作りが始められます。

最初に手掛けるのはいつも決まって黒豆でした。
黒豆はシンプルなのにふっくら艶良く炊き上げるのが難しい煮物です。

母はよく失敗しては、
シワシワになった黒豆を見ながら言い訳をしていた事を思い出します。
納得いかないと煮直した年もありました。

各家庭によってやり方は様々かと思いますが、
我が家では洗った黒豆を一晩重曹の入った砂糖水に漬けておきます。

砂糖水はやや熱い程度の温度にしますが、
温度が高いと水で戻した時よりふっくらするような気がします。

翌日、醤油とほんの少し塩を加え弱火で炊いていきます。
途中小まめにアクを取ると渋みのない美味しい煮豆になります。

そうそう、忘れてならないのは煮る時に錆釘を入れます。

錆釘なんて聞くと驚かれるかもしれませんが、
錆釘は煮豆を色好く仕上げてくれる秘密兵器です。

近頃は圧力鍋の普及で、短時間で煮豆が作れる時代になりました。
忙しい毎日の中、上手に時短の調理器具を使うのも悪いことではないと思います。

しかし、1年に1回、終わり行く1年に感謝しながら、
新しい年を迎えるために丁寧に時間をかけてお正月料理の準備をするのもいいものです。
親子の会話を交えながら、我が家のやり方を教えてもらいます。

母が祖母から伝えられたように、母は私へ伝え、
いつか私も子供達へ伝えていくのでしょう。
我が家だけの味を大切にしていきたいものです。