おせち料理の思い出

正月のおせち料理には各自色んな思い出があると思います。子供頃楽しみだった人もいれば苦手な人もいたでしょう、ここではそんなおせち料理の思い出について書いています。

おせち料理を食べたことがなかった、わが家のお正月

子供の頃、
わが家にはお正月におせち料理を作って食べる習慣はありませんでした。

では何を食べていたのでしょうか。
朝から晩まで、すき焼きやステーキや鰻など、
とにかく思いつく限りの豪華なものを母が次々と作っては食べていたのです。

普段の食事は、ごはんにお味噌汁、漬物や煮物といった、
どちらかというと質素なほうでした。

それだけにお正月の和洋折衷な豪華ディナーは、
きらきらとした幸福を与えてくれたのです。


もちろん知識としておせち料理というものは知っていました。

しかしそれは廃れた伝統文化のようなもので、
例えばクリスマスの礼拝のように、
ある特定の古風で特殊な家庭だけのものだと思っていました。

話には聞くけど、
まさか本気でやってるうちはそう無いよねという感じです。

その幻想が打ち砕かれたのは
結婚して初めてのお正月に夫の実家に行った時でした。

そこで親戚一同におおいに驚かれて以来、
つまりおおいに恥じ入って以来、
前日からしっかり仕込んだおせち料理を作るようになったのです。


結婚して数年が過ぎた頃からは
お惣菜も詰めるようになりましたが、
お正月におせち料理を作って食べる習慣は、
子供たちにしっかり伝えたいと思っています。

ただ、ふとした時に、
あの子供心に強烈な印象を残した豪華な三が日を
懐かしく思い出すこともあるのです。